犬舎の必要性

●犬舎が何故秋田犬に向いているのか…?

よく秋田犬の繁殖をなされておられる方、及び秋田犬の展覧会の犬を管理されておられる所有者様は、秋田犬の管理をシッカリと、完璧な状態で管理するために犬舎というものを用意します。

何故でしょうか...?

秋田犬は北の国の犬種であり、よく犬の毛の状態を見ると針毛と綿毛とで覆われています。

針毛の中に綿毛がある...

秋田犬は耐寒性にとても優れており、寒ければ寒いほど毛の吹き具合も良くなります。

左の写真の犬は一冬を部屋の中で過ごした場合の犬の毛の吹く状態。

右の写真の犬は一冬を外飼いの犬舎で過ごした場合の犬の毛の吹く状態。

これだけ秋田犬は差が出てきてしまいます。


そして、何故高床式で犬舎を立てることが秋田犬にとって最も適している環境を作ることが出来るのでしょうか?

それは、秋田犬は寒さに強い耐寒性のある犬種です。


その、耐寒性の有る犬種の犬がプラスチック製などの犬小屋や出窓しか無いログハウスで過ごすことは非常に困難であります。

耐熱性に弱く、綿毛の密度が多い犬種ですので、湿度に弱いと言うことも認識しなければなりません。

例えば、私達人間の身体が秋田犬のような毛で覆われていたとしましよう。

地肌から毛が長い針毛が生えてきてその中から密集率の高い綿毛は地肌から直接生えてくる...

その時に密封状態の小屋の中にいればどう感じるでしょうか?


 プラスチックの小屋にいる...

   ログハウスの風を通さない小屋にいる...


中は暑くてジメッとしてきます。

それに貴方なら耐えられるでしょうか?

そこを考えた時に、高床式で下をスノコにして、下から風邪が通る状態に保ち、天井も高く風の抜け道の有る方が快適に過ごせるのではないでしょうか。

又、犬と言うのは暑い時期、寒い時期、風の強い日などを身体で感じることにより、心臓の心拍数が上がったり下がったりすることでリズムを作ることが出来るのです。

丈夫で頑健な犬に仕上がっていくのです。

外飼いに向いている犬を部屋の中で飼ってしまうと、一定の心拍数しか打たない為に結果が自ずと逆方向へいきます。


秋田犬は一日の半分が寝て過ごします。

守られて静かに暮らすのが一番落ち着き、秋田犬に犬舎は、必要不可欠なのです。

高床式の犬舎が秋田犬には最も理想的な環境だと言うことをお分かり頂けたでしょうか。

因みにお産をさせる場合の牝犬は犬舎の床を下から1尺(30センチ)上げて、お腹の赤ちゃんが地面に当たらないような高さの調節をしなければなりません。

妊娠以外、通常では、牡、牝ともに、二尺以上(60センチ)上げて、天井も高くすることによって、夏のジメジメした時期も、この配慮により、秋田犬は快適に過ごすことが可能になって来るのです。

※犬舎を用意する時に注意すべき点は中を広く作り過ぎないことです。

広すぎると中で排便をしてしまう癖が着いてしまうのである程度の大きさが決まっていますが、詳しくは当犬舎までお問い合わせください。

●犬舎は建てる方向をよく選ぶ...

犬舎を建てた場合、一番肝心な事は建てる方向です。

一番の理想は、東を前にし、西を後ろの方向に建てることが好ましく、東を前にする事により、朝日をたっぷりと浴びた秋田犬は骨密度が上がります。

可能な限り、建ててはいけないのが、西日に向かって建てることです。

西日は一番暑く、秋田犬の体力を早く消耗させてしまいます。

西日を前にして建てることは、まず、お勧め出来かねます。

東の方角に建てられない場合でも、西日でなければ大丈夫です。

この時に気をつけなければならないことは、ヨシズなどの配慮をして、暑い夏の陽差しの直射を避けるようにしたいものです。

●犬舎の中はいつも清潔に...

犬舎の中はこまめに掃除をして中のスノコも綺麗にしておくことが大切です。

できれば月に一度は犬舎の中を綺麗に掃除してあげますと、秋田犬もそんなに汚れることも無く犬にもストレスを感じさせることがありません。

スノコの掃除を何年も放置したりすると、犬と言うのは、時には排便もしたりします。

洗わないままでいれば雑菌が入り、秋田犬の身体に何らかの病気をもたらす懸念がなくはありません。

時には一生治らない治療と戦っていかなくてはならなくなります。

コレはほんの一例ですが、所有者がスノコの掃除をせずにいた場合、秋田犬の牝の膣の部分が雑菌で腫れ上がり化膿をしてしまって、 ここ何年も抗生物質を投与しながら懸命に治療をしてなければならない例も現実にあるのですから。

このように、秋田犬はとても繊細な部分を持つ犬種だという実例をあげました。